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スマホ・ウェアラブルが「勝手に」測っているデータ 全カタログ

2026-08-05 調査・AIバイオハックキットLP 第5セクション用

現行のLPコピー(lp/21 第5章)はカード3枚=歩数・歩いた距離・上った階数。ここに載せられる候補を、機器別・自動/手動別に洗い出したものがこのドキュメント。表記は事実(一次情報で確認)と【未確認】を分けてある。

先に結論。iPhone単体でも自動で溜まるものは3つではなく12前後ある。 Apple Watchまで入れるとApple Healthの指標は172。Androidは「データ型」としては50以上あるが、自動で埋まるかは端末メーカーのアプリ次第という別の問題になる。

1. iPhone単体(Apple Watchなし)で自動で溜まるもの

標準ターゲットのTier 2がここ。ポケットかズボンに入れて歩いているだけで記録される。

項目センサーいつから
歩数加速度M7以降の全機種
歩行+走行距離加速度同上
上った階数気圧iPhone 6以降
歩行速度加速度iOS 14
歩幅加速度iOS 14
両脚支持時間加速度iOS 14
歩行の非対称性加速度iOS 14
階段を上る速度気圧+加速度iOS 14
階段を下りる速度気圧+加速度iOS 14
6分間歩行距離日常歩行から推定iOS 14
歩行安定性加速度iOS 15・iPhone 8以降
アクティブエネルギー上記から推定iOS 16

「6分間歩行距離」は6分間歩くテストをする必要がない。 日常の歩行から推定される。同様に階段速度も、10フィート(約3m)以上の階段を上り下りしていれば自動で付く。

準・自動が2つある。ひとつは床上時間で、「睡眠スケジュール」を設定していれば就床の時間帯が残る。ただし実測で確認した通り、これは設定値が混入するので実測として読ませてはいけない。もうひとつはヘッドフォン音量で、AirPodsなどを接続していれば自動で溜まる。

注意。歩行の質の指標はiPhoneを体に着けて歩いていないと出ない。 カバンに入れて持ち歩く人では歩数と距離は付いても、歩行速度や歩幅は付かないことがある。実際、Atsukiの実データでもTier 2の窓(Watch導入前6年半)に存在したのは歩数・距離・階数・歩行の質4指標・床上時間・ヘッドフォン音量で、階段速度と6分間歩行距離は入っていなかった。LPで「全員に必ずある」と言い切れる強度は項目ごとに違う(第9章)。

2. イヤホンを使っていると増えるもの

AirPods Pro 3(2025年秋)から心拍センサーが載った。 光学式PPGで1秒あたり256回計測し、ヘルスケアAppに心拍数として残る。ワークアウト中の計測が主で、常時計測ではない。Powerbeats Pro 2も同型。Apple Watchを持っていない人が心拍を持っている経路が、2025年に新設されたことになる。

項目条件
心拍数AirPods Pro 3 / Powerbeats Pro 2
消費カロリー同上・ワークアウト時
ヘッドフォン音量AirPods等の接続時
聴力検査の結果AirPods Pro 2以降・iOS 18

3. Apple Watchで増えるもの

Apple Healthの全体像は172指標。 以下は装着しているだけで自動で埋まるものを中心に、カテゴリごとに並べたもの。手動操作が要るものには(手動)を付けた。

心臓・循環器

心拍数、安静時心拍数、歩行時平均心拍数、心拍変動(HRV・SDNN)、心拍回復(運動後1分)、心房細動履歴、不規則な心拍リズムの通知、高心拍数・低心拍数の通知、心電図(手動)、高血圧の可能性の通知。

高血圧の可能性の通知は2026年に日本でも解禁された。 光学式心拍センサーで血管の反応を30日単位で解析し、慢性的に高いパターンが出たら通知する。Series 9以降・Ultra 2以降+watchOS 26が要件。

呼吸・睡眠

血中酸素、呼吸数、睡眠時の呼吸の乱れ(iOS 18以降)、睡眠時無呼吸の可能性の通知、睡眠ステージ(コア・深い・REM・覚醒)、床上時間、睡眠スコア。

睡眠スコアはwatchOS 26からの新機能。 睡眠時間(50点)・就寝時刻の一貫性(30点)・中断(20点)の合計100点で、毎朝つく。Series 6以降・SE 2以降。

体温・心肺フィットネス

手首皮膚温(Series 8以降)、睡眠中の手首温度、VO2max(心肺フィットネス)、低心肺フィットネスの通知。

活動

アクティブエネルギー、安静時消費エネルギー、エクササイズ時間、スタンド時間・スタンド回数、ムーブ時間、ワークアウト記録(50種類以上)、身体的な負荷。

走る・漕ぐ・泳ぐ

ランニングパワー、ランニング速度、接地時間、上下動、ストライド長、サイクリング距離・ケイデンス・パワー・FTP・速度、水泳距離、ストローク数、水中の深さと水温(Ultra)、スキーの滑走距離、車椅子のプッシュ回数。

環境・生活

日光を浴びた時間、環境音レベル、大きな音の通知、転倒回数、転倒検出、手洗い時間、歯磨き、マインドフル時間、心の状態(手動)、周期記録と手首温度からの排卵日の遡及推定。

日光を浴びた時間はApple Watch専用。 環境光センサー+GPS+モーションで屋外にいるかを判定している。iPhoneだけでは取れない。

4. Androidスマホ単体

Androidは「データ型は多いが、自動で埋まるかは端末とアプリ次第」という構造になっている。 Health Connectは50種類以上のデータ型を扱うが、これは保管庫であってセンサーを回す主体ではない。歩数を数えて書き込むのはSamsung Health(Galaxy)、Google Health(旧Fitbitアプリ)、Xiaomi/Huaweiの各アプリといった、メーカーやGoogleのアプリのほう。

したがってAndroidで「何もしなくても溜まっている」と言えるのは、実質この範囲。歩数、移動距離、上った階数(気圧計を積んだ機種のみ)、消費カロリーの推定、アプリによっては簡易的な睡眠。

カテゴリHealth Connectのデータ型
活動歩数、距離、上った階数、消費カロリー、基礎代謝、速度、パワー、ケイデンス、VO2max、運動強度、エクササイズ、運動計画、車椅子プッシュ、獲得標高
身体計測体重、身長、体脂肪率、除脂肪体重、体水分量、骨量
バイタル心拍数、安静時心拍数、心拍変動(RMSSD)、血圧、血糖、体温、皮膚温、血中酸素、呼吸数
睡眠睡眠セッション(ステージ含む)
栄養水分、栄養(各種)
周期基礎体温、月経、排卵検査、頸管粘液、性行為
ウェルネスマインドフルネス
医療記録FHIR形式の診療記録

取り出しの導線がiPhoneと非対称なのは変わっていない。さらに2026年時点で状況が動いており、Google FitのAPIは2026年内に終了、FitbitアプリはGoogle Healthへ改称、移行先はHealth Connectという再編の途中。「Androidの人はこの手順で」という一本の説明が書けない状態は継続している。

5. Androidのウォッチ・リング

Galaxy Watch(Samsung Health)

心拍数、心拍変動、睡眠ステージ、睡眠スコア、いびき検出(スマホ側のマイク)、血中酸素、皮膚温、ストレス、体組成(BIA・手動)、心電図(手動)。

2026年6月の更新で、AGEs指数(終末糖化産物の指標)が睡眠中に自動で測られるようになった。 抗酸化指数は指を当てる手動計測。血管負荷は「心臓健康スコア」に発展し、睡眠・ストレス・活動・体組成を束ねた日次スコアになっている。エナジースコアはホーム画面の主役に格上げされた。

補足: 血圧測定と心電図の日本での提供可否は機能・時期で変わるため【未確認】。

Pixel Watch(Fitbit/Google Health)

心拍数、心拍変動、安静時心拍数、皮膚温の変化、血中酸素、呼吸数、睡眠ステージ、睡眠スコア、デイリーレディネス(HRV・睡眠・安静時心拍から回復度を出す)、カーディオロードとターゲットロード(1日を通した心臓の仕事量。ワークアウト中だけでなく終日)、ボディレスポンス(皮膚電気活動によるストレス反応)、アクティブゾーン時間、不規則な心拍の通知、転倒検出。

補足: 脈拍消失検出(Loss of Pulse)の日本提供は【未確認】。

リング・バンド

Oura(睡眠ステージ・体温偏差・HRV・レディネス)、WHOOP(回復度・ストレイン・睡眠)、Garmin(Body Battery・ストレス・トレーニング負荷)。いずれも書き出しは可能だが、実機で通していないため導線は【未確認】。

6. どの機器でも空欄になるもの

手入力か外部機器の連携がなければ、構造的にゼロになる系統がある。 実測済みの通り、11年・408万レコード・Watch2台・Oura・体組成計という上限に近いケースでも、栄養40項目・血液・血糖・血圧・体温・症状36種はすべて0件だった。

栄養(カロリー・三大栄養素・ビタミン・ミネラル)は食事記録アプリの連携が要る。血圧は血圧計、血糖はCGM、体重・体脂肪は体組成計が要る。症状・服薬・気分・マインドフルネスは本人の入力が要る。

LPで「測れる」と言ってはいけないのはこの群。 商品側は「測れていないことを示す」出力に倒す決定が既に出ている。

7. 数で見た全体像

範囲指標数
iPhone単体で自動12前後
+イヤホン+4
Apple Health全体172
Health Connect50以上

「172指標」はApple Healthが扱えるデータ型の総数であって、1人の顧客に172本あるという意味ではない。Atsukiの実データで集計後に残ったのは48指標だった。LPで数を使うなら、この区別を崩さないほうが安全。

8. LPへの落とし込み(3案)

案A: iPhone単体の12項目をズラッと並べる

カード3枚を12項目のリストに置き換える。「iPhoneだけでこれだけ測られている」という驚きが最大化される。 ただし階段速度と6分間歩行距離はAtsukiの実データに存在しなかったので、「必ずある」ではなく「機種と持ち歩き方によって記録されているもの」という但し書きが要る。

案B: 3層で見せる(推奨)

「iPhoneだけで12項目 → イヤホンがあれば+4 → Apple Watchがあれば172指標の世界」という階段にする。現行LPが抱えている問題(Tier 2の顧客に対して弱く見え、Tier 3の顧客に対して過小に見える)を、同じ1枚で両方解けるのがこの形。 第6セクションのTier別の但し書きとも整合する。

案C: 172という数字を主役にする

「あなたのiPhoneは172種類のデータを受け取れる器を持っている」を見出しにして、実際に何本埋まっているかは人によって違う、という展開にする。引きは強いが、器の数と実際に持っている本数がすり替わって読まれるリスクがあり、優良誤認の観点で最も危ない。 使うなら「扱えるデータ型の総数」と明記する。

9. 断定の強度(LPコピー用の目安)

強度項目
ほぼ全員にある歩数、歩行距離、上った階数
多くの人にある歩行速度、歩幅、両脚支持時間、歩行の非対称性、歩行安定性、アクティブエネルギー
あることがある階段を上る/下りる速度、6分間歩行距離、床上時間、ヘッドフォン音量
機器が要ると明記心拍系すべて、睡眠ステージ、血中酸素、体温、VO2max、日光を浴びた時間

上段の3つはiPhoneを持ち歩いていれば数年分ある(実測で6年半確認済み)。2段目はiOS 14以降なので期間は短い(実測では11ヶ月)。

10. 未確認・監視すべきこと

Galaxy Watchの血圧・心電図の日本提供、Pixel Watchの脈拍消失検出の日本提供、Oura/WHOOP/Garminの書き出し導線は、いずれも実機で確認していない。

競合として監視が要るのは、iOS 26.4で予定されているヘルスケアAppの刷新。 デザイン刷新に加えてカロリー追跡の内製化と、Apple Intelligenceによる健康分析が入るとされている。「AIが自分のヘルスケアデータを読んで返す」という商品の中核が、OSの標準機能に寄ってくる可能性がある。ChatGPT Healthの米国展開(2026-07)と合わせて、フロント商品の賞味期限に関わる論点。

出典

Apple公式:watchOS 26のアップデートについてApple Watch Series 11 発表日光を浴びた時間AirPods Pro 3の心拍計測Measuring Walking Quality Through iPhone Mobility Metrics

Android:Health Connect データ型Google Fitの移行ガイド

各社・報道:Samsung Health 次世代Galaxy Watch機能Fitbit Daily Readiness / Cardio Load高血圧パターンの通知 日本解禁(ASCII)watchOS 26リリース(MacRumors)Health Auto Export 対応データ一覧

社内の実測:brother-brief/02_tier-data-inventory.mdresearch/16_no-test-data-inventory_2026-07-31.mdresearch/17_own-data-report-findings_2026-08-01.md